美白化粧品の基礎知識
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2.美白有効成分の探索 美白素材を求めて3千里…。私が入社するずーっと以前には、文字通り美白素材(生薬)を求めて、研究員が世界へ飛んでいたそうです。民間伝承で白くなるという生薬を求めて南米にも行ったという話も…。どこまでが本当の話か分かりませんが、世界中から生薬を集めて、美白効果がある有効成分を探していたのは確かです。 さて、世界中から集めた生薬。この中からどうやって有効成分を見つけるのでしょうか。最終的には、シミに効果があるかどうかを調べる訳ですが、そこに至るまでには険しく長~い旅を経る必要があります。 運命の人と出会うのが難しいように、優れた美白素材と出会うのはなかなか大変です。優れた美白素材を見つけるには、数多くの候補素材を試験する必要があります(専門用語ではスクリーニングといいます)。そのために最初のスクリニーング試験としては、短期間で簡単に結果がでること、素材を大量に試せること、が条件となります。そうした条件を満たす試験として、一般的には細胞(メラノサイト)を使った試験が行われます。 ≪細胞試験≫ シミの元はメラノサイトという細胞が作り出すメラニンです。従って、メラニンの産生を止めることができるような成分を探し出すことができればよい訳です。その方法は色々ありますが、一番オーソドックスな方法は、メラノサイトだけを試験管の中で人工的に育てる方法です。 まず、メラノサイトを人工的に育てて増やします(正確には、メラノーマと呼ばれるメラノサイトが癌化した細胞を使う事が多いです)。下の写真が、試験管(フラスコ)で育てられたメラノサイトで、その中で黒く見えるのがメラニンです。 そして、そこに候補素材を添加して、メラニンの産生が抑制されるかを見ます。メラニンの産生が抑制されたかどうかは、顕微鏡を使って肉眼で確認もできますし、どれだけ抑制されたのか定量的に測定もします。
メラニンの抑制が確認された後は、細胞毒性試験やチロシナーゼ活性阻害試験など様々な生化学的な試験を行い、この候補素材がどの程度優秀なものかを調べます。 ≪メカニズム確認試験≫ 候補素材が植物などのエキスの場合は、エキスをさらに分画して(細かく分けて)、有効成分の正体を明らかにしていきます。予め候補素材の正体が明らかな場合は、メラニン産生を抑制するメカニズムの確認試験を行います。 メカニズムの1つの例がチロシナーゼという酵素です。
≪安全性試験≫ エキスの中からようやく有効成分の正体が明らかになったと思ったら、すでに他社が特許を取っていた・・・という事もあります。 『有効成分の正体が明らかになり、他社の特許も無い』、という事になると開発の有力候補になります。その物質の性質を調べたり、安定性の試験を行います。もしその物質が、直ぐに分解して壊れてしまう、水にまったく溶けない、などが分かると化粧品原料としての開発が難しくなります。 それと平行して、ヒトでの有効性評価試験の準備が始まります。そのために大事な事をしなければいけません。それが安全性の試験です。ヒトに使用しても安全かどうかという試験を色々と行ってから、ヒトでのボランティア試験を行います。
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